

Nov 13, 2025
この度、鹿児島県における水産業の研究・指導を行う鹿児島県水産技術開発センター(鹿児島県指宿市)の施設内で、海藻カギケノリ海洋養殖用種糸の作製を開始したことをご報告いたします。
アルヌールは「カギノワ」の取組の中で、飼料に微量添加することで牛のげっぷに含まれるメタンガスの発生を大幅に抑制できる海藻、カギケノリの養殖を行ってまいりました。この度、鹿児島県水技術開発センター貝類種苗生産研究棟の大量培養室の使用許可をいただき、種糸の作製を開始しました。鹿児島水技の充実した施設を利用することで、アルヌールが培ってきた培養技術を十分に活かし、種糸生産量を大きくスケールアップさせることができます。また、実際に種糸を沈める海洋養殖試験場近くで種糸の生産を行うことで、鹿児島を拠点とした多くの試験と経過観察をより詳細に実施します。この冬の間で様々に条件変更した種糸を作製し、海洋に入れて試験することで、省コストかつ収穫量を最大化することを目指した研究開発に取り組んでまいります。
◆海洋養殖の省コスト化かつ収穫量の最大化へ向けて
アルヌールではカギケノリの陸上養殖と海洋養殖の両方を試験していますが、日本中の牛に食べさせるだけのカギケノリを生産するには広大な海の力が必要です。カギケノリは魚類などによって食べられてしまう食害がないため、作業負担の少ない海洋養殖が可能です。しかし、そのためにはしっかりとカギケノリが固着した高品質な種糸を作製する必要があります。アルヌールはこれまでの研究で、2通りの種糸作製手法を開発してきました。この度、鹿児島県水産技術開発センターの施設を利用することで、より省コストに高品質な種糸を量産する比較試験を行い、最適なプロトコルの確立を目指します。作製された種糸は順次、鹿児島の海での実証試験に用いられます。日本におけるカギケノリの海洋養殖の最適な条件を検討し、生産量についてのデータを蓄積してまいります。
